黒字廃業はなぜ起きるのか。黒字のうちに出口を設計しておく理由

黒字廃業とは、利益が出ている状態で会社を休業・廃業・解散することです。2024年は、休廃業・解散した会社の51.1%が黒字でした(帝国データバンク)。

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BCB Japan 編集部
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社長の平均年齢は63.81歳です(東京商工リサーチ)。この年齢を過ぎると、事業を誰にどう引き継ぐかは先送りできない経営課題になります。後継者候補が社内におらず、子どもも後を継がない。借入の個人保証が残っている。こうした状態のまま決算を重ねる経営者は少なくありません。

黒字廃業は休廃業・解散の半数を超える

2024年に休廃業・解散した会社は69,019件で、うち51.1%が黒字でした(帝国データバンク)。赤字が原因ではなく、社長の年齢や後継者不在を理由に、利益が出ている段階で出口を選ぶ会社(黒字廃業)の割合が半数を超えています。黒字というだけで会社を続けられるとは限りません。

後継者が決まっていない会社は約半数

後継者がいない、または決まっていない企業は50.1%です(帝国データバンク、2025年)。社長の平均年齢63.81歳とあわせると、後継者を決めないまま年齢だけを重ねる会社が多いことがわかります。体調が変わってからでは、譲渡先との条件交渉や業務の引き継ぎに十分な時間を取れません。

後継者は親族と社内だけではない

後継者を探すとき、親族や社内に候補者がいないと止まってしまいがちです。しかし、後継者には同業他社や取引先など、社外の候補者という形もあります。会社の売却や合併といったM&Aも含めて、誰に何を引き継ぐかを分けて考えます。

親族内に候補者がいても、経営を担う意思や経験が伴わないまま株式だけ渡すことがあります。その場合、借入の個人保証が新しい社長に移らないことがあります。親族承継や社内承継を唯一の選択肢にしないことで、出口の幅は広がります。

事業承継と相続を同じ手続きにしない

相続税の税率が55%になる場合があります。自社株を後継者に渡す場合、会社の資産内容や株価評価によって税負担が変わります。事業用の資産と個人の資産を分け、株式の移し方は税理士と確認しておきます。事業承継は経営を渡す段取り、相続は個人の財産を渡す段取りです。重なる部分があっても、手続きの順番は分けて考えられます。

社長の報酬と会社のお金を分ける

賞与を受け取らなかった経営者の割合は71.3%でした(Forbes JAPAN)。会社にお金を残すことは、会社の余力を高めます。ただし、個人の手元資金は増えません。経営者の生活資金と会社の運転資金を混ぜたまま出口を迎えると、どちらの選択肢も選びにくくなります。

人手不足が出口の選択に与える影響

2024年度に人手不足を原因とする倒産は309件ありました(東京商工リサーチ)。倒産に至らないまでも、採用が追いつかず、事業の縮小を迫られる経営者は少なくありません。人を増やす前提の計画を続けるより、人が足りない状態でも回る体制に変える、または早めに譲るという選択肢を残します。採用難を理由に会社を畳む前に、業務の引き継ぎ先を決めておくことが出口設計の一部になります。

出口設計は順番から始まる

出口設計は、売る、残す、畳むのどれかを最初に決める作業ではありません。自社株、不動産、借入、個人保証、従業員の処遇という項目を、時間をかけて整理する作業です。最初に売れるかどうかを判断するのではなく、誰に何を渡すかという順番を決めることで、黒字の時期に動かせる項目が見えてきます。

貸借対照表を開いたとき、最初に動かせる項目はどれでしょうか。

※HTML版がこのページの正本です。本記事は事業に関する教育と情報提供であり、売却価格・融資・投資・税務の個別の助言ではありません。

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