【事業承継】会社の出口と社長の出口

事業承継は最終的な出口ではなく、次の世代に道を渡すことです。会社には常に4つの出口の選択肢が残ります。

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BCB Japan 編集部
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事業承継の先にある会社の4つの出口を示した図

2015年3月、ある家具販売会社の株主総会で、2つの提案がでました。会社側は、娘の社長らを取締役にする案。筆頭株主である父親(会長)は、自分たちを取締役にする案。会社側の提案が賛成61%で可決され、父親である会長の提案は否決されました。

株主総会で2つの提案がぶつかった

この会社は大塚家具です。1980年6月から40年以上、株式を公開してきた家具販売の会社です。2015年、創業者で父親(会長)と娘(社長)が、経営権をめぐって対立したのです。総会で、父親は「会社の復活は私にしかできない」と訴え、娘は「社員はつらい思いをし、お客様にも迷惑をかけた」と陳謝しました。

その後、大塚家具は2016年12月期から赤字が続きました。2019年には、このままでは2020年3月に現金が足りなくなる状況でした。信用が下がり、銀行からの借り入れや公募増資による資金集めも難しくなって、自力での経営再建をあきらめたのです。(出典:東京商工リサーチ TSRデータインサイト(2019年12月13日、2021年6月9日)、日本経済新聞(2015年3月27日))

社外からの出資を受け入れ、上場を終える

2019年12月12日、大塚家具はヤマダ電機との資本提携を発表しました。ヤマダ電機が議決権の51.74%を確保し、大塚家具を子会社化するという内容でした。父と娘の対立から4年後のことでした。

2020年12月、娘は社長を辞任しました。2021年6月9日、大塚家具はヤマダホールディングスの完全子会社となり、2021年8月30日に上場廃止予定を発表しました。

事業承継は、出口ではない別の道

会社の出口(社長の出口ではありません)は4つに分類されます。廃業、売却、M&A、上場です。親族や社員が継ぐ事業承継は、出口を次の社長に託すこと。託した後、会社には引き続き廃業、売却、M&A、上場という4つの出口が残されています。

誰に継がせるかを決める前に、会社としてどの出口を目指すかを考えておくことをお勧めします。継ぐ人が決まっても、その先の出口という会社の方向性は引き続き必要だからです。

廃業以外の3つの出口では、必ず「この会社はいくらなのか」を問われます。出口の準備は、会社の価格を知ることから始まります。

会社の価格は、利益にPER(株価収益率)を掛けて考えるのが基本です。PER(株価収益率)は、『株価 ÷ 1株当たり利益』で表されます。『今の利益水準のまま推移した場合、投資した資金を回収するのに何年かかるか』という意味でもあります。

どの出口がよいかは、社長自身の生き方で決まる

会社の出口を決める基準は、社長自身がこの先どう生きたいかです。会社の出口に優劣はありません。唯一避けるべき出口は、決断を先送りにして選択肢を失ってしまうことです。

後継ぎに会社を託す場合、4つの出口の選択も託すことになります。託す前に、自社の価格を知り、選べる道を現社長自身の言葉で整理しておくといいかもしれません。

あなたの会社の出口は、いま、見えていますか。

※HTML版がこのページの正本です。本記事は事業に関する教育と情報提供であり、売却価格・融資・投資・税務の個別の助言ではありません。

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